『海賊と呼ばれた男』を観ました
2016年公開作品
あらすじ
主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を予感していた若き日の国岡鐡造は、北九州・門司で石油業に乗り出すが、その前には国内の販売業者、欧米の石油会社(石油メジャー)など、常に様々な壁が立ち塞がり、行く手を阻んだ。しかし、鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず、それまでの常識を覆す奇想天外な発想と、型破りの行動力、何よりも自らの店員(=部下)を大切にするその愛情で、新たな道を切り拓いていった。その鐡造の姿は、敗戦後の日本において、さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。そしてついに、敗戦の悲嘆にくれる日本人に大きな衝撃を与える “事件”が発生する。
引用:Filmmakersより
「海賊と呼ばれた男」の感想
百田尚樹さんの小説が結構好きで何冊か読んでいるのですが「海賊と呼ばれた男」も、いつか読みたいリストに入っていて、先に映画を観る機会が出来たので映画先行で鑑賞しました。
小説の作りがどのようになっているかわからないのですが、映画は主人公を軸に時代が60代と20代~30代の時空を行ったり来たりするので私的には見づらい感があったのですが、大筋のストーリは太くて見ごたえがありました。
戦後に復興してくれたみなさんのおかげで今の日本があるんだって、強く思わされる作品でした。
映画の中では戦争に行って戦場を経験した登場人物たちはどんな仕事だって「ここには弾は飛んでこないし、食いもんだってあるんだ。そう考えるとなんだってできる!」とか「一度死んだも同然の人生だ。何があったって怖くねぇ!」という精神でやってのける。
あの時代の人たちの強さというのは計り知れない。
たぶん、小説や映画を離れた現実の世界でだって当然この映画のような綱渡りみたいな仕事がたくさんあった時代なのだろうし、それを上記のような精神で何とか切り抜け切り抜け乗り越えて、それが積み重なって今の日本があるのだろう。
今現在もビジネスで戦って勝ち取って商品やサービスを提供してくれている皆さんに頭が下がる。
目に見えているところ、見えていないところすべての働いている人たちみんなに感謝したい。
みなさんのおかげで私は快適に暮らしていられるのだから。
などと、思わず熱いこと書いちゃうくらい考えさせられる作品でした。
役者さんピックアップ
主演の岡田准一さんが20代~60代まで演じているのですが、凄いなぁと思ったのは20代と30代ではちゃんと落ち着きというか微妙な変化が見えるところでした。
主人公の鐵造は基本的にどーんと構えていて「俺についてこい!」という貫禄がある人物。
ちょっとすると同じに見えそうな感じがするし、服装は微妙に変化しているけど特殊メイクをしているわけでもないので見た目にはそれほどの変化はないし、30代も若いと言えば若いし、勢いだってあるんだけどやっぱり20代の勢いや若さと違うという点がちゃんと見えたので感動しました。
60代を演じているときも、特殊メイクなどの助けはあれどちゃんと60代の貫禄が出ていて違和感がなかった。
國村 隼さんと対当したときも、それほど違和感を感じず、「どっちが年上の設定なんだろう?」とちょっと思ったくらいだった。
V6が解散したと同時に別の事務所に移籍したのかと思っていたのですが、今もジャニーズ事務所にいるんですね。(2023年1月現在)
私はアイドルにはあんまり興味はないのですが、映画やドラマが好きなのでジャニーズ俳優班には注目していて、ジャニーズ事務所にも好きな俳優さんが結構います。
あとはちょっとだけ最初に近藤正臣さんが、先見の明を持つ投資家の役出ててらっしゃったんですが「あのお金は貸したんやない、あげたんや。」これは、近藤正臣さん演じる資産家の木田章太郎が発した印象に残っているセリフなのですが、言い方が傲慢でも上からでもないし何とも言えず優しくて素敵だったなぁ。
終盤に堤真一さんが出てきたとき、声聞こえただけでなぜかワクワクしました。
あと、須田邦裕さんが出てきたときなんだかテンション上がったのですが出番が少しだったのでもう少し増やしてくれればいいのに!と思いました。
最後に
令和の今だって大変なことはたくさんあるんだけれど昭和の、とりわけ戦後を生きた人々は押しなべて精神力が強かったんだろうなって思います。
この映画のような状態はまだまだ優しい方なのでしょうねぇ。
現代はメンタル重視社会になっていて、ちょっと弱い・・・。
弱すぎるのかもしれないなんて思いますけど、それはそれでどうにかなっていくのか。
メンタルが強い人がただただ勝っていくか、弱い人に飲まれてそれがスタンダードになっていく社会になっていくのか・・・。
割り当てられた仕事を誰かがやらないやりたくないと手放せば、それを誰かがやらなければならなくて、その分は自分の分とは別に無理してこなさなければならくて・・・。
その無理はどんどん蓄積されて、その人も壊れていく。
そんな感じがすごくしていて、そういう社会構造ってどうなんだろうって思う最近。
だれかに優しい社会は、誰かにとってすごく厳しい。
『海賊と呼ばれた男』を見ると、みんなが強くてやる気があった時代に憧れを感じました。
小説も必ず読もうと思っています。
以前観たドライブ・マイ・カーの感想を載せてみます。
ご興味がある方は読んでいただけると嬉しいです。