インド映画『RRR』を観ました
2022年10月公開作品
あらすじ~公式ホームページより~
舞台は1920年、英国植民地時代のインド。
英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム(NTR Jr.)。
大義のため英国政府の警察となるラーマ(ラーム・チャラン)。
熱い思いを胸に秘めた男たちが”運命”に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。
しかし、ある事件をきっかけに、それぞれの”宿命”に切り裂かれる2人はやがて究極の選択を迫られることに彼らが選ぶのは、友情か?使命か?
引用:RRR公式ホームページ「STORY」より
RRRの感想
3時間という長丁場の作品ですが、手に汗握る飽きさせない展開なので長くは感じませんでした。
STORY、FIRE、WATERと、はじめに主人公たちのバックグラウンドを小刻みに見せてくれることであとからの内容の展開が理解しやすかったし、何よりそうやって区切ってくれることで観やすさを感じました。
拷問シーンや、戦闘シーンはこれでもかというくらい力一杯表現されているため、2022年12月現在、ウクライナのこととかそういったことが頭をよぎってなんだか辛くなったりしましたが、主人公2人の脅威の回復力と無敵感がもう。
「いやいや、さっきまであなた大層な怪我をしてましたよね。」
「いやいやちょっと、あれだけの血を流した後たぶんたいした手当もなかっただろうまま牢獄につながれててよくぞご無事で・・・。え?!しかも、まだそんなに戦える?!」
「森の葉っぱをすりつぶしただけの薬草の効果どんだけ。」
というもう、ツッコミどころ満載すぎて、これはエンターテイメントであり実際は誰も死んではいないし銃で打たれてもいないのだから、楽しんでもよくないかという気分になります。
私は現実主義なのか主役のお二人はもちろん、多数いる兵士役や、序盤に出てくる大規模人間組体操みたいなシーンを演じられていた役者さんたちの怪我が心配になりながらも、よくぞこの映画を撮ってくださいましたと思いました。
いくらCGを使える時代になったとしても、きっと大変な撮影だっただろうなぁ。
地味に序盤の大規模人間組体操のいちばん下の人がとても心配だったんですが、あれは生身の人間なのかCGなのかどっちなんだろうか。
メイキングとか後で漁ってみよう~。
主人公2人のうち、前半は水を操る男ビームの話が中心となり、後半は火を操る男ラーマの話を中心として物語が展開していくのですが、ビームに関してはわかりやすい展開だったので涙が出たりはしなかったのですが、ラーマは幼少のころから過酷すぎる使命を背負っているため3回ほど涙が出てしまいました。
ストーリーを全体的に見るとすごくシリアスになりそうなところ・・・。
なのですが、やっぱインド映画はこうでなくっちゃねっというダンスタイムもちゃんとあって、それは突然やってきます。
わりと突然やってくるので笑っちゃいますが、物語と逸れた無理やりの展開ではないため笑いながらも観れちゃうし、途中からトランス状態みたいな感じになってクセになります。
このダンスはナチョというらしいです。
英国貴族たちが楽しみながら、「もうむり~!」みたいな感じで大笑いしながらどんどんナチョダンスから脱落していく姿を観ていて「なんか幸せな時間だなぁ~」と観てるこっちもそんな気分になっちゃう。
ナーチョ、ナチョ、ナチョ、ナチョ、ナチョ、ナチョ、ナチョ、ナーチョー♪
あー楽しい。
ムッキムキのバッキバキで戦う2人がキレッキレのニッコニコで踊るこのアンバランスさに心くすぐられます。
ラストシーンも、あのまま終わるとズーンとしそうなところ粋な演出があるため、エンドロールは誰一人として帰ろうと立ち上がったりしませんでした。
物語はとっても重たい内容なのに会場が明るくなった後、小さな笑いがこぼれる。
そんな不思議な映画。
女性の2人づれで来てたお客さんからは「ラーマすごいかっこよかった」という声も漏れてましたねぇ。
確かに確かに。
あのいくら殴られても立ち上がりかき分けてグイグイ引っ張ってくれる感じ、かっこいいですよね。
だけど、ビームの純粋な可愛さと心優しさも捨てがたいですぜと言いたいです。
終盤のシーンで、ビームは甲斐甲斐しくラーマの怪我に薬草を塗って体を休ませてあげてオレンジの旗の布を使って服を作って着せてあげてたことに気づいたときなんだかキュンとしてしまったんだもの。
役者さんピックアップ
主役のお二人についてちょっと調べてみたところ映画の中で「兄貴」と呼ばれていたラーマ役を演じられていたラーム・チャランさんの方が、ビーム役を演じていたNTR Jr.さんよりちょっと年下みたいですね。
ビームはずっと「兄貴」「兄貴」って言ってラーマに甘えてたというか、ラーマがビームを引っ張っていく感じで、ほんとに弟キャラだったんでその事実を知ったとき面白いもんだなぁと思いました。
RRRのPRで監督さんと主演のお二人が来日した時の動画を色々見ていたら、とてもあのバッキバキの映画を撮ったとは思えないくらい3人とも優しくて暖かい雰囲気を醸し出していて、なんだかすごくいい人たちそうだなぁと感じました。
NTR Jr.さんのつぶらな瞳については映画の中でも「あなたのその瞳」とか言われてたけどほんと可愛い目をした方だなぁと、映画を離れてもそういった魅力のある方なんですね。
最後に
インド映画を観たのは今回は初めてではないのですが以前見た映画はスタンリーのお弁当箱という作品で、この作品はインド映画特有のダンスシーンもなかったしシリアスな内容だったけど、とても印象に残っている映画でした。
なので今回も楽しみにして観に行ったら期待以上で、ぶっとんでて完全なるエンターテイメントで嬉しかったです。
1回目観たとき少し小さめの劇場だったので「これをIMAXで観たらどうなんだろう」という気持ちがムクムク湧いてきたところ、ちょうどビタッとタイミングが合ってしまったので2回見ちゃいました。
1回目観たときインドの方の顔に慣れてなかったせいか服装が変わると顔が一致しなかったりすることがあったのですが、2回目は内容を知っていることと、1回目観た後にメイキングとかyoutubeとかインスタとかいろいろ見たので、主役のお二人の顔に慣れたこともあったし2回目は細かな面で新たな発見もあり、2回見ても飽きることなく楽しめました。
また面白そうなインド映画があったら観に行きたいな。
映画が配信とかで観やすくなったとしても、こういう劇場で見るべき作品は劇場に足を運んでみるべきですね。
最後に、RRRを見た後に鑑賞したRRRの監督であるSSラージャマウリ監督作品で、ラーマ役のラーム・チャランさんが出演されているマガディーラという映画の感想記事を張り付けてみます。
読んでいただけますと嬉しいです。