ドライブ・マイ・カー
2021年8月公開作品
第94回米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表作品に選出されたということで再上映されているのか、素敵で小さな映画館で上映されていたので見に行ってきました。
始めの方は濡れ場が多く、ちょっとげんなりしてしまいましたが、これが後で効いていたため致し方ないですねぇ。
あるシーンからそういう場面がなくなったのでほっとしました。
私はそういうシーンは軽くでいい人間なのでそう思ったのだと思います。
一緒に見に行った方にそれを言ったら「そう?」って感じだったので。
西島秀俊さん演じる主人公、家福は役者で演出家ということで劇中に演劇の稽古の場面がよく出てくるのですが、劇中劇に集められた演者たちが日本人、台湾人、韓国人、韓国手話を操る人などいろいろな言語を操る人々から選出されており稽古風景がとても面白かったです。
初顔合わせの後から始まった本読みの時お互いの言語が分からないので、「私のセリフは終わりました」という合図に机をコンッっとたたく様子や、ゆっくりとセリフを読み、多言語の音と手話の動きをそれぞれに完璧に落とし込む作業。
地味で根気のいることを毎日積み重ねている様子が興味深かったです。
今回、私の一番のお気に入りの役者さんは韓国手話を操るイ・ユナを演じたパク・ユリムさんで、手話がしなやかで優しく、その中に凛とした強さがあって好きでした。
劇中の旦那様とのエピソードも優しく穏やかで癒されました。
一番最後のシーンはハッピーエンドだと私は思っています。
きっとドライバーの彼女はお気に入りのものを自分の近くに置いて、新たな場所で彼女らしく楽しく過ごしているのだと。
最後は観た人に自由に想像させ、委ねる形になっていますが私はハッピーな方向で考えたいです。
考えようや想像の仕方によってはミステリーにもハッピーエンドにもなり得るかたちでつい、
「そしてどうなった?」とか
「あれとあれはどこでどうやって手に入れたの?」
と問いたくなりますが、それは野暮ってもんですよね。
単純明快で楽しい作品ではないですし観た後モヤッとするのですが、じんわりなにかが心に残る作品でした。
第96回アカデミー賞ノミネート作品のドリーム・プランの感想を載せておきますので
ご興味のある方は読んでいただけると嬉しいです。